【模型】タミヤ1/35 7.62cm PaK36 対戦車自走砲 38(t)マーダーIII & キューベルワーゲン

タミヤ1/35 マーダーⅢを作りました。

2023/8/2に製作開始して、完成したのは8/23でした。(自分にしては早い!)

■実車について
このマーダーⅢはマーダーⅢ 3兄弟の中で一番最初の車体です。

1941年6月にソ連に侵攻したドイツ軍は、T-34やKV-1に対峙して、自分たちが持っている5.0cm砲のⅢ号戦車や、短砲身7.5cmのIV号戦車では太刀打ちできないことにショックを受けます。
早急に強力な対戦車兵器が必要になりますが、後に代表的な対戦車砲になる7.5cm PaK40はまだ開発途上で使えません。

しかしソ連から大量に鹵獲した7.62cm師団砲があり、そのままでは威力が足りないので、PaK40と同じ薬莢が使えるように改造したものをPaK36として正式採用していたので、これを載せることにしました。

取り急ぎこの7.62cm砲を載せる車体として、すでに第一戦レベルではなくなっていた38(t)が選ばれました。

38(t)から砲塔と戦闘室部分を外した車体に対戦車砲を載せることにしたものの、キャビン内で作業するように設置するのは難しかったので、キャビンの上に砲火を置いて、乗員はエンジンフードの上で作業することになりました。
砲架の位置を高くしたのは、俯角を取れるようにしたかったという理由もあるそうです。(丘の稜線などから頭だけをだして狙うため)

なお、ノーマルのままの38(t)の車体だとエンジンフードは高くて斜面になっているので、砲兵が作業する場所はエンジンフードに切り欠きが入って平らになっています。

戦闘室の全面と左右は低い装甲板があり、対戦車砲には小さい防楯があります。元々はもっと上まで保護する装甲板も検討されたようですが、重くなって機動性が悪くなるのでやめたようです。装甲板があると言っても後半はむき出しなので、銃弾や周りで爆発があった際にはかなり危険な状態だったようです。

このマーダーⅢは、1942年6月頃から引き渡しが始まり、PaK36の在庫がなくなる1942年10月まで生産され、その後は7.5cm PaK40を載せたマーダーⅢ H型に引き継がれました。

■キットについて
タミヤのキットなので作りやすいです。

イタレリが38(t)やマーダーⅢ H型、ヘッツァーを出していたので、足回りはイタレリのパーツそのままかと思っていたのですが、本車固有パーツが足回りと同じランナーについてたので、ランナーまるごと流用と言うことでは無いみたいです。

キャラピラはベルト式キャラピラですが、起動輪と誘導輪のシャフトが細いので、キャラピラを張るとテンションで少し軸がたわむようです。(あるある)

この車両はオープントップの自走砲なので、戦闘室の周りが装甲板で囲われているものの、キャビンの中が完成後も丸見えになります。
塗装をしてから装甲板をとりつけるか、先に組み立てるかを決める必要がありますが、塗装した部品を後から接着しようとすると接着剤で汚れたり強度が取れないことが多いので、ほとんど接着してから塗装することにしました。(エアブラシなので入り組んだところにも塗料が回るため)

足回りは、転輪やキャラピラまで接着してから塗装したり、転輪のゴム部分を後で塗装して、はみ出しても大丈夫、と言うような手順で作る人もいますが、個人的には足回りが塗り分けられていないのは気持ちが悪いので、転輪はおのおの塗装してゴム部分を塗ってから接着します。

塗装は全体をクレオスのプライマーサーフェイサー(ブラック)で塗って暗部を隠した後、クレオスの「C513  ドゥンケルグラウ」(ジャーマングレー)をエアブラシで塗装。
デカールを張ってからクリアでコート。その後でタミヤエナメルのハルレッドとフラットブラックを薄めたものでウォッシング。
その上からバフを薄めたものでフィルターのように吹いてみたが、色味がいまいちだったかも。

またその後で、エナメルのバフでウォッシングのようにして全体が砂汚れが染みついたようにしてから、クレオスのウェザリングパステルで泥汚し。

キャラピラは、ハルレッド+フラットブラック+バフを混ぜたもので、赤錆が乾いて汚れたような感じにしようとしたが、いまいちだったかもしれない。

車体左側にアンテナのポールがあるのが省略されているので、伸ばしランナーで作成。(結構太いです)
ちなみに車体後部の2つのポールは、上にキャンバスをかけたりして屋根を作れるようにするためのもの。

塗装がちょっと決まらなかったがまあこれでいいことにします。

作ってみると車体のあまりの小ささに驚いたので、比較用にタミヤのキューベルワーゲンも作って並べてみた。

■資料
マーダーⅢの資料で比較的現在手に入り安いものとしては以下のものになります。

・「グランドパワーNo.335(2022年4月号) ドイツ軍自走砲(4)」
 マーダーⅢ特集号になっています。

・「ウォーマシンレポートNo.73 ドイツ対戦車 -2-」

■2023/9/1のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介して頂きました。

【模型】ドイツレベル 1/72 レオパルト1A5

ドイツレベル 1/72 レオパルト1A5作りました。

2023/6/6に作り始めて、キャラピラ以外は3日目に組み上がっていたのだけど、そこからなんやかんやしてると時間がかかって、完成したのは7/9でした。
ほぼ素組みの1/72で一ヶ月もかけていると1/35だと1年に数台しか作れないのでもっと早く作れるようにしたい。

■実車について
レオパルト1の初期の鋳造砲塔車輌のレオパルト1A1は、その後で生産されたレオパルト1A2に比べると装甲が薄く、手法のサーマルジャケットがなく、サイドスカートもなかったので、近代化改修として、増加装甲を付けたレオパルト1A1A1に改造された。
その後、パッシブ暗視装置を付けたレオパルト1A1A2にも改造された。

さらにその後、火器管制装置などをアップデートして、EMES18というレーザー測遠機と赤外線暗視装置を統合した火器管制システムを搭載。これはレオパルト2相当の装備になった。
測遠機がレーザーになったことで、従来砲塔の左右に突き出ていた光学式の測遠機は撤去されている。

(VANGUARDの本を見たら、その後呼称が変更されてレオパルト1A5は1A5A1ににあったという記載があるが、あまり普及してないみたいなのでここでは1A5で通す)

■キットについて
ドイツレベルは1/72でドイツ陸軍のAFVを色々出していますが、このキットは割と感じがいいです。
砲塔や増加装甲もこのままでも見栄えするし。

ただ、増加装甲を砲塔に付ける際に,やたらステーが延びていたけど実車にはないので全部削り取った。

防楯についてル増加装甲には溶接後が目立つので伸ばしランナーで再現した。

その他、ワイヤーロープはプラ製だったので、電気コードをよじったものに作り替えて(手頃なアクセサリーがみつからなかったので)、ゲーブルを取り回す際のステーは真鍮戦で自作した(オーバースケールだけど、小さすぎると固定出来ない)。

塗装はガイアノーツのNATOグリーンをエアブラシで拭いた後は、VICカラーのNATOブラウンとNATOブラック筆塗り。

迷彩は苦手だったが、これは境界がシャープな塗り分けなので、エアブラシンフリーハンドでは難しいため、筆塗りしようと考えていた。(マスキングするには細かい部品や凸凹が多い)。

筆塗りは、ムラが出来たり下の塗装が剥がれてきたりするので苦手だったが、VICカラーは水性で割とすぐ早く乾き、自己平滑性でムラがでにくいということなので試してみた。1回では塗料が載らないが3回ほど塗るとちゃんと色が乗ったかな。

ただ、この時点ではやたら明るくておもちゃっぽいので、エナメルのブラックとレッドブラウンとダークグリーンを混ぜたものでウォッシングして全体を暗い色調にした。(実車は迷彩パターンがもっと視認しにくい)

また、1/72は近づかないとモールドがわかりにくいのでちょっと大げさにスミ入れしてある。

ドライブブラシなどのハイライトは入れていません。

OVMは車体に一体化しているし面積も小さいので、筆を寝かせて塗るとはみ出る。なので、極細面相筆の先でチョンチョンとつついて塗料を置く感じで塗りました。

※色々書いているが、こうやって塗るもんだぜということではなく自分でも初めてなので記録のために書いています。

①素組みの状態。増加装甲のモールドもいい感じのキット。手すりはもっと細いのだけどこのままにした。

②防楯の溶接痕は追加した。

③NATOグリーンの上に、VICカラーのNATOブラウンとNATOブラックを筆塗りし終わったところ。
やたら明るいし、おもちゃっぽい。

④デカールを貼ってからクリアーでコートした後でウォッシングとスミ入れをした状態。

⑤完成品

⑥タミヤエナメルと比べると大きさはこれぐらい。

■2023/7/11のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介していただきました。

■参考資料

  1. PANZER臨時増刊「世界のMBTシリーズ レオパルト1&2」サンデーアート社(1983年刊)
    古いので、レオパルト1A1A1までしか載っていない。またレオパルト1はみんな迷彩していないが、砲塔などのアップがあるので参考になる。
  2. 「LEOPARD 1 and 2 THER SPEARHEADS OF THE WEST GERMAN ARMOURD FOURCES」Concord(1990年刊)
    レオパルト1A5登場後。カラーは少ないが、ワイヤー取り回しなど参考になる。カラーの色調も確認出来る。

  3. 「ARMOUR OF THE WEST – NATO’s AFNORTH & NORTHHAG」Concord(1992年刊)
    ドイツ陸軍だけでなくイギリスやベルギー、デンマーク、オランダなどのAFVが出てくる、レオパルト1A5比率は低いが、カラーで3ページほど載ってる。むしろチーフテンMk.11、チャレンジャーの写真が格好いい。

  4. 「NEW VANGUARD 16 LEOPARD 1 MAIN BATTLE TANK 1965-1995」OSPREY(1995年刊)
    手持ち資料では一番新しい時期をフォロー。レオパルト1シリーズの解説や開発、近代化改修の記載あり。レオパルト1A5についても。

  5. 「PANZER 1986年6月号」サンデーアート社
    「最近のレオパルト1シリーズ(1)」という特集がある。ディティールの参考というよりは近代化改修の説明として。