【模型】タミヤ 1/35 バレンタイン17ポンド対戦車自走砲 アーチャー

タミヤ 1/35のアーチャーを作りました。

2023/8/27に製作開始して、完成したのは11/4でした。

作りかけてから、ミニスケール祭り向けにPzH2000とレオパルト2A7Vを作り始めたので完成が少し遅くなってしまった。

今は一人自走砲祭りとして、マーダーIII→アーチャーと作っているので次のAFVも自走砲の予定。

■実車について
パンターやティーガーに対抗しうる対戦車砲として17ポンド砲(76.2mm)を開発したイギリスですが、当然ながらこれを戦車の車体に載せる案が出てきます。

当時、クロムウェルの車体を大型化して17ポンド砲を旋回砲塔に積んだ巡航戦車A30チャレンジャーが開発中でしたが、開発に時間がかかったためとりあえず配備ができるアーチャーの開発が進められました。
それでも最初の配備は1944年の10月で、ノルマンディー上陸作戦より後のことでした。

17ポンド砲は砲身が長く、機関部も大きいのでバレンタインの車体には積めないので、後ろ向きに搭載されることになり、砲身が向いているのが実は後ろだという独特な形になりました。

操縦席は車体中央にあり、17ポンド砲の真後ろになります。
一応、座っていても下がってくる大砲に頭がぶつかる心配は無いのですが、戦闘中にこんなころにとても坐ってられなさそうです。

車体は一応バレンタインを流用しているのですが、エンジンルーム上面はかなり外見が違います。
バレンタインは小さなカバーが並んでいるのに対して、アーチャーは広く開口したグリルが並んでいます。
アーチャーは横や操縦席側からの写真を見ることが多いので、後ろから見るとこんな形になっていたんだ、と驚くことが多いです。

なお、車体下部は速度低下を避けるため重量を減らそうとして装甲の厚みが減らされてたそうです。

■キットについて
さてキットですが、タミヤの比較的最近のものなので組み易いです。
戦闘室周りはかなり入り組んでいますが、指示通りに組み立てていくと形になってしまうのに感心します。

キャタピラも部分連結式のキャタピラになってて、前後のカーブにあわせる箇所以外はあらかじめ一体成型なので手間が減ります。
また、上部のキャタピラはあらかじめ少し波打った状態で一体成型されているのはうれしいところですな。

連結式キャタピラはいつも組み立てと塗装の順番に悩むのですが、今回は、上下の長い部分と、前後の転輪に沿ってカーブしている箇所の4パーツまで接着してしまい、キャタピラを塗装してから最後に接着しました。

この手の自走砲は、装甲板で囲まれた戦闘室の中が完成後も丸見えで、大砲周りが入り組んでいるので、塗装と接着の順番に悩むところです。
塗装後に接着すると接着剤跡が目立ちそうだったけど、一応、車体下部と車体上部は塗装後でも接着できそうだったので、今回は戦闘室はほぼ先に接着してから塗装することにしました。

塗装ですが、イギリス戦車の色はいわゆる「ダークグリーン」ではなくて「SCC No.15 オリーブドラブ」だということなので、AKのアクリル第3世代のSCC No.15 オリーブドラブを使ってみました。米軍のオリーブドラブよりは少しだけダークグリーン寄りの色になります。
タミヤの製作見本はダークグリーンなんですが、パッケージアートはオリーブドラブっぽく茶色よりになっていて、この箱絵がまた戦闘中の緊迫感があって格好いいです。

専用アクリル溶剤と1:1に薄めてエアブラシ塗装してみたのですが、かなりガサガサでザラザラな感じになりました。もう少し薄めた方がよかったのかも知れません。
ラッカー版も出ているのでそちらも試してみようと思います。

しかしウォッシングをしてみたら、かなり暗くなってしまった。

目標としてはその後に明るめの調子をつけたかったけども、うまくリカバリーができず、ドライブラシもいまいちだったので、やむなくタミヤのウェザリングマスターのサンドで軽くなぞったらそこそこ明るくなりました。
ただ、いかにも昔ながらのバフのドライブラシをやりすぎましたという感じになってしまったので、つきすぎた部分を多少落としてから水性のつや消しクリアーを拭いてやっと落ち着きました。

足回りはほとんど泥汚しをしない形にしてみました。

本来はボックスアートみたいなウェザリング(汚れの塗装ではなくて、色んな色調が混ざった色合い)をしたかったのですが、全体としては狙った汚しが出来ませんでした。

この後も自走砲も17ポンド搭載の戦車も作る予定。

なんとなくイモムシっぽいが、前後の転輪に沿わせて組み立てたキャラピラ。

■資料について
「GROUND POWER グランドパワー 2017年6月号 バレンタインの開発と構造」にバレンタインの派生車両として、ビショップとアーチャーが載っています。

2023/11/10のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介して貰いました。

【模型】影と陰、シャドーとシェードって?

最近のプラモの塗装では「プレシェーディング」とか「ハイライトとシャドー」って言葉がよく出てくるようになったけど、言葉の選びかたに疑問を感じることが多いので、考えてることをまとめて見た。

最初に「陰」「影」「シェード(shade)」「シャドー(shadow)」の違いについては、一般的な単語の意味や、絵画(美術)系ではこんな感じ。

デジタルカメラでも暗部と明部のバランスを見るときに「ヒストグラム」などで見ているが、暗部のことを「シャドー部」と呼ぶことも多い。
この場合は「影(Shadow)」という元のニュアンスから離れて、「とにかく画面の中で色が暗いところ(黒に近い方)」を指すことが多いですね。照明が当たっている場所でも色が「黒い被写体」はシャドー部にいってしまうので。

模型に話を戻すと。ミリタリーフィギュアを作られる海外モデラーには、全体に黒を塗装した後に、斜め上の光源部分から白などをエアブラシで吹いて、白に黒い「陰」が入っているベースを作成した上で色を塗る上で「陰」部分が自然に暗くなるという技法をつかわれているかたを見かける。

デジタルイラストで言うと「グリザイユ技法」にもにたところがあって、無彩色(白黒だけ)で濃淡を表現してから後から彩色することで、「濃淡」を自然に反映させるというところが似ている。

一方で、AFVや飛行機で、「プレシェーディング」と言って、下地の時点で黒っぽい色の上にまだらに明るい色を吹き(またはエッジないし隅を暗く残して明るく吹き)、その上から本来の色を薄く吹き付けると下地の明暗が塗装色に反映されるという技法があって、この下地を「プレシェーディング」と呼んでいる。

明暗を上の塗装に反映させるというのはフィギュアの陰の付け方と似ているが、この明暗は「シェード(陰)」なんだろうか。
光が入りにくい隅のほうを示す場合はシェードだろうけど、「塗装面に表情をつけるためにばらつきを出す」「エッジを際立たせるためにエッジの境界を暗くする」のは「シェード」なんだろうかという疑問がある。

英語圏の誰が言いだしたのか判らないけど、変な用法に感じる。

例えばシマウマの縞を書くことをシェーディングとは言わないだろう。単なる色の塗り分けだ。
平坦な面で、光の加減に関係がないのをパネルの境目で暗くしたりするのは果たして「シェード」なんだろうか。

また、その流れで、「暗部」の色を暗くするときに「シャドーを塗る」という人が居るが、この場合は「影」ではなくて「陰」なので「シェード」が正しいと思う。