【模型】Vespid Models 1/72 レオパルト2A7V

Vespid Models(ヴェスピッドモデル)の1/72 レオパルト2A7Vを作りました。

2023/9/18に製作開始して、完成したのは10/22でした。

これもキシダ模型のミニスケール(1/72、1/76)AFV祭りに合わせて作ったものですね。

■実車について
レオパルト2A7は、A6に対して車体下面の防御力の強化、重くなったスカートの取り付け部の強化や車長用のパノラマサイトが追加されており、車体右側後部にジェネレーターなどが増えていますが、本来やりたかった改修は予算の都合でやりきれなかったため、後になってA7Vとして追加改修をすることになりました。

A7Vは車体前面の装甲が強化されて、車体前面が左右フェンダーとツライチになったり、操縦手用のカメラが車体前後に追加されています。その他砲塔側面のスモークディスチャージャーの数が変わったりと細かい変更があります。

生産済の車体を改修する形で2021年から部隊配備が始まっています。

それにしてもレオパルト2A7Vというと第1次大戦のドイツ戦車 A7Vを連想せざるを得ない。

■キットについて
2023年の4月に発売された新しいキットです。

キットの中味ですが、ドイツレベルの72キットと比べると各パーツはかなりシャープです。
パーツ数も多く、1/35並の分割になっています。

砲身はプラパーツとは別にアルミ挽物の砲身もついています。

また1/72ながらも、一部のパーツがエッチングパーツになっています。
エッチングパーツなのはいいとしても、1/72のエッチングパーツとなると、2mm位のもの大きさのものが多くて鼻息だけで飛んでしまうし、小さすぎて接着面も殆ど無くて、こんなのをわざわざエッチングで再現する必要があるのかと思う部分もあります。

ただ、砲塔バスケットのメッシュ部分と、エンジングリルのカバーは効果が出てるようです。

ワイヤーロープの両端の輪っかのパーツはスライド金型で穴が空いてました。
1/35でも片方から貼り付けるタイプが大半なのに1/72でこれはすごい。

ワイヤーロープも金属製ワイヤーで再現されていますが、硬過ぎて曲げても戻ってしまうので、電気コードの中の電線をねじったもので作り直しました。

アンテナは伸ばしランナーで再現しましたが、それ以外の追加工作はしていません。

こちらもPzH2000と同じように、キャラピラは先に転輪と一緒に車体に接着してから塗装しました。

72なので以下の3つの塊にあるまで組み立ててから塗装しました。

・その①転輪とキャタピラを接着した車体下部
・その②車体上部+スカート
・その③砲塔

塗装はタミヤアクリルのNATOグリーンをエアブラシで吹いた後で、VICカラーのNATOブラウン、NATOブラックを筆塗りし、その後水性のプレミアムトップコートつや消しをエアブラシで2回ほど重ねて段差や筆むらを隠しています。

後はいつものように色調を落とすためにウォッシングをしてから墨入れしました。

今回はドライブラシや足回りの汚しはしていません。
PzH2000と同時に塗装したので同じ手順になっています。

ワイヤーロープだけは後に接着したのですが、いざ接着しようとしたら車体に馴染ませるのにエポキシ接着材に使わざるを得なくて、塗装が汚れてしまったので、これも接着してから塗装した方がよかったかもしれない。

NATO迷彩は光の加減によってはほとんど迷彩の境界が識別しづらいので、ウォッシングで迷彩のコントラストを落としてみたんだけど暗くなりすぎたかも知れません。

ウォッシングをしたらしっとり感がでてしまった上に、指紋が付きやすくなったので、仕上げに水性のつや消しクリアーで整えたところ、少し明るく見えるようになりました。

レオパルト2A6、A7の1/72キットは各社から出ているので色々選べるのでいい状況かなと思います。

1/35でもレオパルト2A5、2A6、2A7などが出ているので作りたいね。2A7がでてしまうと2A5って今更作る??という気分になってしまうけど。

車体前方の底面に増加装甲がついている。

塗装前のエッチングパーツ

前に作ったレオパルト1A5と、PzH2000と並べてみた。

■資料について
Tankogradからモノグラフが出ている。
[MFZ-S5092]「レオパルド2A7V 生まれ変わるドイツの豹〜世界最高の主力戦車へ」(中はドイツ語と英語の併記)

こちらは2023/10/28の「キシダ模型”ミニスケールAFV祭り”お披露目ライブ」で紹介して貰いました。

【模型】ドイツレベル 1/72 PzH2000

ドイツレベルの1/72 PzH2000(Panzerhaubitze 2000、パンツァーハウビッツェ、装甲榴弾砲)を作りました。

2023/9/12に製作開始して、完成したのは10/22でした。

これはキシダ模型のミニスケール(1/72、1/76)AFV祭りに合わせて作ったものですね。

前にレオパルト1A5とビーバーを作ってドイツ連邦陸軍のNATO迷彩は1/72なら何とかなるなと思ったので今回もドイツ連邦軍です。

時間があればドイツ連邦軍じゃないけどM109A6とM109A7の作り比べもしたかったけどさすがに時間がありませんでしたわ。

■実車について
PzH2000はドイツ連邦軍が1998年に配備を始めた155mm自走榴弾砲で、それまで使っていたM109シリーズでは言外が見えていたので、より長射程で連射速度を上げられるようにしています。

自動装填装置を備えた主砲、MBT並に長い車体に長い砲塔、長い砲身が特徴です。
ウクライナにも提供されて話題になりました。

■キットについて
キットはドイツレベルの1/72としては標準的なもので、細かいパーツは少なくて、OVMは車体と一体成型ですがそこそこのディティール感があります。
キャタピラは部分連結式です。これもドイツレベルの1/72としては一般的な構成です。

キャタピラを組む前に塗装した場合、連結するときに羽目合いがきつくて入らなかったり、接着剤で塗装が汚れてしまうので、今回は事前に車体にホイールとキャタピラを接着してしまって、後で筆塗りすることにしました。上部のキャタピラはサイドスカートで見えなくなるので省略しています。

また、車体背面パーツは車体上下を接着してからでないと組み立てられないのですが、塗装後に接着すると塗料が汚れやすいので、車体上下とスカートも先に接着してしまいました。

そのため、
・転輪とキャタピラを接着して車体上下、後面も接着した車体
・砲塔
のように大きく分けて2の塊になるまで組み立ててしまってから塗装しました。

塗装はタミヤアクリルのNATOグリーンをエアブラシで吹いたあと、VICカラーのNATOブラウンとBATOブラックを筆塗りしました。

そのままだとアクリルはつや消し、VICカラーは半つやでちぐはぐになりますがが、クレオスの水性プレミアムトップコートつや消しをエアブラシで2回ほど吹いたら艶も均一になって筆むらも分からなくなりました。

そのあとはいつものようにエナメルのフラットブラックとレッドブラウンでウォッシングした後でスミ入れしました。
PzH2000の演習写真を見ると、足回りもサイドスカートも泥で隠れて迷彩すら見えない状態をよく見かけますが、今回はドライブラシや泥汚れは無し。

ランプ類にはオレンジを塗り、シャベルなども塗装しました。
ワイヤーロープはプラパーツですが、今回はあまり波打った形状を再現する必要が無かったのでそのまま使っています。

ウォッシングでエナメルを薄めて塗っていると、乾燥させてもほこりが付きやすいし指紋も付きやすいので、再度水性のつや消しでコートしました。

金属色とバイザーのガラス部分は最後に筆塗りしてます。

モンモデルの1/35キットも作らないとね。

2023/10/28の「キシダ模型”ミニスケールAFV祭り”お披露目ライブ」で紹介して貰いました。

【模型】タミヤ1/35 7.62cm PaK36 対戦車自走砲 38(t)マーダーIII & キューベルワーゲン

タミヤ1/35 マーダーⅢを作りました。

2023/8/2に製作開始して、完成したのは8/23でした。(自分にしては早い!)

■実車について
このマーダーⅢはマーダーⅢ 3兄弟の中で一番最初の車体です。

1941年6月にソ連に侵攻したドイツ軍は、T-34やKV-1に対峙して、自分たちが持っている5.0cm砲のⅢ号戦車や、短砲身7.5cmのIV号戦車では太刀打ちできないことにショックを受けます。
早急に強力な対戦車兵器が必要になりますが、後に代表的な対戦車砲になる7.5cm PaK40はまだ開発途上で使えません。

しかしソ連から大量に鹵獲した7.62cm師団砲があり、そのままでは威力が足りないので、PaK40と同じ薬莢が使えるように改造したものをPaK36として正式採用していたので、これを載せることにしました。

取り急ぎこの7.62cm砲を載せる車体として、すでに第一戦レベルではなくなっていた38(t)が選ばれました。

38(t)から砲塔と戦闘室部分を外した車体に対戦車砲を載せることにしたものの、キャビン内で作業するように設置するのは難しかったので、キャビンの上に砲火を置いて、乗員はエンジンフードの上で作業することになりました。
砲架の位置を高くしたのは、俯角を取れるようにしたかったという理由もあるそうです。(丘の稜線などから頭だけをだして狙うため)

なお、ノーマルのままの38(t)の車体だとエンジンフードは高くて斜面になっているので、砲兵が作業する場所はエンジンフードに切り欠きが入って平らになっています。

戦闘室の全面と左右は低い装甲板があり、対戦車砲には小さい防楯があります。元々はもっと上まで保護する装甲板も検討されたようですが、重くなって機動性が悪くなるのでやめたようです。装甲板があると言っても後半はむき出しなので、銃弾や周りで爆発があった際にはかなり危険な状態だったようです。

このマーダーⅢは、1942年6月頃から引き渡しが始まり、PaK36の在庫がなくなる1942年10月まで生産され、その後は7.5cm PaK40を載せたマーダーⅢ H型に引き継がれました。

■キットについて
タミヤのキットなので作りやすいです。

イタレリが38(t)やマーダーⅢ H型、ヘッツァーを出していたので、足回りはイタレリのパーツそのままかと思っていたのですが、本車固有パーツが足回りと同じランナーについてたので、ランナーまるごと流用と言うことでは無いみたいです。

キャラピラはベルト式キャラピラですが、起動輪と誘導輪のシャフトが細いので、キャラピラを張るとテンションで少し軸がたわむようです。(あるある)

この車両はオープントップの自走砲なので、戦闘室の周りが装甲板で囲われているものの、キャビンの中が完成後も丸見えになります。
塗装をしてから装甲板をとりつけるか、先に組み立てるかを決める必要がありますが、塗装した部品を後から接着しようとすると接着剤で汚れたり強度が取れないことが多いので、ほとんど接着してから塗装することにしました。(エアブラシなので入り組んだところにも塗料が回るため)

足回りは、転輪やキャラピラまで接着してから塗装したり、転輪のゴム部分を後で塗装して、はみ出しても大丈夫、と言うような手順で作る人もいますが、個人的には足回りが塗り分けられていないのは気持ちが悪いので、転輪はおのおの塗装してゴム部分を塗ってから接着します。

塗装は全体をクレオスのプライマーサーフェイサー(ブラック)で塗って暗部を隠した後、クレオスの「C513  ドゥンケルグラウ」(ジャーマングレー)をエアブラシで塗装。
デカールを張ってからクリアでコート。その後でタミヤエナメルのハルレッドとフラットブラックを薄めたものでウォッシング。
その上からバフを薄めたものでフィルターのように吹いてみたが、色味がいまいちだったかも。

またその後で、エナメルのバフでウォッシングのようにして全体が砂汚れが染みついたようにしてから、クレオスのウェザリングパステルで泥汚し。

キャラピラは、ハルレッド+フラットブラック+バフを混ぜたもので、赤錆が乾いて汚れたような感じにしようとしたが、いまいちだったかもしれない。

車体左側にアンテナのポールがあるのが省略されているので、伸ばしランナーで作成。(結構太いです)
ちなみに車体後部の2つのポールは、上にキャンバスをかけたりして屋根を作れるようにするためのもの。

塗装がちょっと決まらなかったがまあこれでいいことにします。

作ってみると車体のあまりの小ささに驚いたので、比較用にタミヤのキューベルワーゲンも作って並べてみた。

■資料
マーダーⅢの資料で比較的現在手に入り安いものとしては以下のものになります。

・「グランドパワーNo.335(2022年4月号) ドイツ軍自走砲(4)」
 マーダーⅢ特集号になっています。

・「ウォーマシンレポートNo.73 ドイツ対戦車 -2-」

■2023/9/1のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介して頂きました。

【模型】タミヤ1/35 JS-2スターリン重戦車1944年 ChKZ(チェリャビンスク・キーロフ工場製)

タミヤ1/35 JS-2スターリン重戦車1944年 ChKZ(チェリャビンスク・キーロフ工場製)作りました。

2−3年前のコロナ自粛期間に作りかけてほぼ組み立てし終わった状態で止まっていたものを製作再開、
2023/7/9に再開して、完成したのは8/1でした。

■実車について
ドイツ戦車に対抗するために122mm砲を積んだのがスターリン重戦車。
ティーガーIやティーガーIIと違ってあまり大きくない車体なのに砲身が威圧的なのが特徴ですね。

JS-2の初期型の車体前面(操縦席部分)がくびれていたのに対して、避弾経始を向上させるように斜めの装甲にかわったのが1944年型になります。
昔はJS-2m等と呼称されていたものか?

JS-2はIS-2と書くこともあるが、元々「ヨシフ・スターリン」のロシア語綴りが「Ио́сиф Ста́лин」なのでロシア語なら「ИС(イーエス)」、それに対するラテン文字で「IS」になるのだが、
スターリンの「ヨシフ」を英語圏の名前として「Joseph」と表記しているとその略称が「JS」になる。

戦車名は「ヨシフ・スターリン2」じゃないから「ИС-2」かそれをラテン表記にした「IS-2」と書く方が自然に思える。

■製作について
中断時はほぼ接着が終わっていて、砲身と砲塔、燃料タンクにタミヤパテを持って継ぎ目消しを待っている状態だったので、継ぎ目消し作業から開始。

砲塔の表面も鋳造の荒さを出そうと溶きパテを塗ってみたが、結果的にはおとなしくなりすぎたかも。

ディティールアップ的なことはほとんど何もせず、前照灯とホーンのための電気コードを足したぐらい。

今回は、ベルリン市街戦で敵味方識別用の白線を描きたかったのでさっさと塗装に入る。

車体はGSIクレオスのC511「ロシアングリーン 4BO」をエアブラシで。4BOというのはロシア戦車のグリーンの標準色です。

あとはタミヤアクリルのフラットホワイトを水で溶いたもので白線を筆塗り。

その後はいつものようにウォッシングとスミ入れをしてから、へたった感じにするために雨汚れとか入れてみようと思ってMRウェザリングカラーなど使ってみたが、少し色を載せただけでも色が落とせない(消しても残ってしまう)ので扱いが難しかった。溶剤で拭いても乾くと色が復活するんだよねえ。

燃料タンクあたりにオイル汚れ(ガソリン)、排気口あたりは黒い油混じりの汚れを入れてみた。全体は、兵士が乗り降りするので泥汚れを上面に入れてみたが途中で力尽きてきたので、全体は統一感がなくなってしまったかも。

マーキングはシロクマが描いてあるものにしたのでちょっと可愛い。

ロシアングリーンとホワイトを塗ってからデカールを貼っただけの状態。つやが落ち着いてない。

クリアーでコートしてからウォッシングした状態。

完成後。

■2023/8/7のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介して貰いました。

【模型】ドイツレベル1/72 ドイツ連邦軍 架橋戦車ビーバー

ドイツレベル 1/72 架橋戦車ビーバー作りました。

2023/6/3に作り始めて、完成したのは7/9でした。

ビーバーとレオパルト1A5を同時並行で作っていたのですが、ビーバーがメインで、レオパルト1A5は手法の確認を兼ねていました、

■実車について
ビーバー(Brückenlegepanzer 1 ”BIBER”)はレオパルト1初期の車体を使った架橋戦車で、2つの橋のパーツはそれぞれ11m有り、伸ばして繋いで22mになる。20mの幅のギャップまで渡れるらしく、橋の許容重量は50tらしいです。

サイドスカートが付いてない古い車体です。

今はレオパルト2をベースにした架橋戦車「レグアン(Gepanzerte Brückenlegesystem “LEGUAN”)」があります。

■キットについて
ドイツレベル1/72のキットはプラモデルでは唯一のキットですね。
ただ、ビーバー単体、ビーバーとレオパルト1A5のセット、ビーバーと軽車両(ディンゴだったか)のセットなどで売られています。

レオパルト1A5とほぼ共通だろうと思ったら、ホイールやキャラピラも別の物でした。(ただしパーツ構成は大体同じ)

その他、ワイヤーロープはプラ製だったので、レオパルト1A5と同じく電気コードをよじったものに作り替えて(手頃なアクセサリーがみつからなかったので)、ゲーブルを取り回す際のステーは真鍮線で自作した。

塗装はガイアノーツのNATOグリーンをエアブラシで吹いた後は、VICカラーのNATOブラウンとNATOブラック筆塗り。
(レオパルト1A5でうまく行ったので踏襲した)

苦労したのは橋の部分で、左右に分かれている橋を4本の棒で繋いであるのだけど、これの接着面が狭くて強度がない。
おまけに塗装したりエナメルでウォッシングすると弱って剥がれてしまい、塗料がついてるからなかなか再接着が難しい。

最初から真鍮線などを差し込んで強化すべきだった。

■2023/7/25のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介していただきました。

■参考資料

  1. Tangpgrad No.5078 ”BIBER” Der Brückenlegepanzer 1 in der Bundeswehr(Ralph Zwilling)
    これだけ持ってれば大丈夫でしょうって感じのモノグラフ。
    全64ページ。ドイツ語と英語の併記。1/35の図面付。

【模型】影と陰、シャドーとシェードって?

最近のプラモの塗装では「プレシェーディング」とか「ハイライトとシャドー」って言葉がよく出てくるようになったけど、言葉の選びかたに疑問を感じることが多いので、考えてることをまとめて見た。

最初に「陰」「影」「シェード(shade)」「シャドー(shadow)」の違いについては、一般的な単語の意味や、絵画(美術)系ではこんな感じ。

デジタルカメラでも暗部と明部のバランスを見るときに「ヒストグラム」などで見ているが、暗部のことを「シャドー部」と呼ぶことも多い。
この場合は「影(Shadow)」という元のニュアンスから離れて、「とにかく画面の中で色が暗いところ(黒に近い方)」を指すことが多いですね。照明が当たっている場所でも色が「黒い被写体」はシャドー部にいってしまうので。

模型に話を戻すと。ミリタリーフィギュアを作られる海外モデラーには、全体に黒を塗装した後に、斜め上の光源部分から白などをエアブラシで吹いて、白に黒い「陰」が入っているベースを作成した上で色を塗る上で「陰」部分が自然に暗くなるという技法をつかわれているかたを見かける。

デジタルイラストで言うと「グリザイユ技法」にもにたところがあって、無彩色(白黒だけ)で濃淡を表現してから後から彩色することで、「濃淡」を自然に反映させるというところが似ている。

一方で、AFVや飛行機で、「プレシェーディング」と言って、下地の時点で黒っぽい色の上にまだらに明るい色を吹き(またはエッジないし隅を暗く残して明るく吹き)、その上から本来の色を薄く吹き付けると下地の明暗が塗装色に反映されるという技法があって、この下地を「プレシェーディング」と呼んでいる。

明暗を上の塗装に反映させるというのはフィギュアの陰の付け方と似ているが、この明暗は「シェード(陰)」なんだろうか。
光が入りにくい隅のほうを示す場合はシェードだろうけど、「塗装面に表情をつけるためにばらつきを出す」「エッジを際立たせるためにエッジの境界を暗くする」のは「シェード」なんだろうかという疑問がある。

英語圏の誰が言いだしたのか判らないけど、変な用法に感じる。

例えばシマウマの縞を書くことをシェーディングとは言わないだろう。単なる色の塗り分けだ。
平坦な面で、光の加減に関係がないのをパネルの境目で暗くしたりするのは果たして「シェード」なんだろうか。

また、その流れで、「暗部」の色を暗くするときに「シャドーを塗る」という人が居るが、この場合は「影」ではなくて「陰」なので「シェード」が正しいと思う。

【模型】「ウェザリング」について

プラモの「ウェザリング」について考えてみる。

昔々は「汚し塗装」としか言ってなかった。泥汚しとエッジの金属はげチョロ表現。ハゲというよりブラシでこすったような感じだったかも。
それがいつからか「ウェザリング」と呼ぶようになったが、誰が言い始めてどこから輸入されたのかよくわからない。

この「ウェザリング」という言葉は英語だと”weathering”で「風化」「風化作用」のことだ。「泥汚れ」などは指していない。

それがなぜ汚しも含めて「weathering」なのか。英語圏の人達は「風化」を指す単語で「汚し」を指すことをどう考えてるのかは気になる。

まあ「ドライブラシ」をはじめとして造語もいろいろあるので、単語の本来の意味だけにとらわれても仕方ないのだけど、改めて「ウェザリング」を考えてみる。

「weathering」本来の「風化作用」を考慮すると、プラモデルの「ウェザリング」は以下のように分けられるのではないか。
(ちなみに「ウォッシング」「ドライブラシ」「チッピング」や「ドッティング」などは技法の呼び名であって「模型上に再現したい風化・汚れ」では無いので今ここではその言葉では分類しない)

※この下↓に表があるけども、Wordpressが謎の改行をいれるのですごく間が空いてます。





















































効果の分類 効果の内容 主な要因
風化(Weathering) 退色・変色 日光・雨・水・風
風化(Weathering) ひび割れ 日光・寒暖差・雨・水・風
表面や隅に溜まる汚れ 砂・土・草 地面の土、ないし砂の混じった風による。
泥汚れ 砂・土・泥 地面の土や砂、泥が足回りを中心に付着する。泥は根の汚れも含む。
汚れ(の付着) 排気口からの排煙・砲煙など
汚れ(の付着) 油汚れ 隙間から染みた油、こぼれた燃料・潤滑油など。
擦れた汚れ 土・砂 搭乗員が歩いたことで付着
擦れた汚れ 塗装はげ ヒンジなどこすれる部分の剥がれ。
人がよく触る部分の剥がれ。機械同士で接触がある部分。他の物に当たったりこすったりした傷。強い風の中の異物などがあたったもの。
塗装 リペイントしたことによ色の違い 部分的に塗装したことで周りと色が異なる。

こうやって挙げてみると「そりゃ知ってるよ」って感じになるが、それぞれの出来る順番などを考えて、「汚し技法」を機械的に適用する前に、汚れのカテゴリーを念頭に置きながら今は何を再現(何の効果を再現)しようとしているかを考えて行けばいいのかなと考えているところ。

【模型】ドイツレベル 1/72 レオパルト1A5

ドイツレベル 1/72 レオパルト1A5作りました。

2023/6/6に作り始めて、キャラピラ以外は3日目に組み上がっていたのだけど、そこからなんやかんやしてると時間がかかって、完成したのは7/9でした。
ほぼ素組みの1/72で一ヶ月もかけていると1/35だと1年に数台しか作れないのでもっと早く作れるようにしたい。

■実車について
レオパルト1の初期の鋳造砲塔車輌のレオパルト1A1は、その後で生産されたレオパルト1A2に比べると装甲が薄く、手法のサーマルジャケットがなく、サイドスカートもなかったので、近代化改修として、増加装甲を付けたレオパルト1A1A1に改造された。
その後、パッシブ暗視装置を付けたレオパルト1A1A2にも改造された。

さらにその後、火器管制装置などをアップデートして、EMES18というレーザー測遠機と赤外線暗視装置を統合した火器管制システムを搭載。これはレオパルト2相当の装備になった。
測遠機がレーザーになったことで、従来砲塔の左右に突き出ていた光学式の測遠機は撤去されている。

(VANGUARDの本を見たら、その後呼称が変更されてレオパルト1A5は1A5A1ににあったという記載があるが、あまり普及してないみたいなのでここでは1A5で通す)

■キットについて
ドイツレベルは1/72でドイツ陸軍のAFVを色々出していますが、このキットは割と感じがいいです。
砲塔や増加装甲もこのままでも見栄えするし。

ただ、増加装甲を砲塔に付ける際に,やたらステーが延びていたけど実車にはないので全部削り取った。

防楯についてル増加装甲には溶接後が目立つので伸ばしランナーで再現した。

その他、ワイヤーロープはプラ製だったので、電気コードをよじったものに作り替えて(手頃なアクセサリーがみつからなかったので)、ゲーブルを取り回す際のステーは真鍮戦で自作した(オーバースケールだけど、小さすぎると固定出来ない)。

塗装はガイアノーツのNATOグリーンをエアブラシで拭いた後は、VICカラーのNATOブラウンとNATOブラック筆塗り。

迷彩は苦手だったが、これは境界がシャープな塗り分けなので、エアブラシンフリーハンドでは難しいため、筆塗りしようと考えていた。(マスキングするには細かい部品や凸凹が多い)。

筆塗りは、ムラが出来たり下の塗装が剥がれてきたりするので苦手だったが、VICカラーは水性で割とすぐ早く乾き、自己平滑性でムラがでにくいということなので試してみた。1回では塗料が載らないが3回ほど塗るとちゃんと色が乗ったかな。

ただ、この時点ではやたら明るくておもちゃっぽいので、エナメルのブラックとレッドブラウンとダークグリーンを混ぜたものでウォッシングして全体を暗い色調にした。(実車は迷彩パターンがもっと視認しにくい)

また、1/72は近づかないとモールドがわかりにくいのでちょっと大げさにスミ入れしてある。

ドライブブラシなどのハイライトは入れていません。

OVMは車体に一体化しているし面積も小さいので、筆を寝かせて塗るとはみ出る。なので、極細面相筆の先でチョンチョンとつついて塗料を置く感じで塗りました。

※色々書いているが、こうやって塗るもんだぜということではなく自分でも初めてなので記録のために書いています。

①素組みの状態。増加装甲のモールドもいい感じのキット。手すりはもっと細いのだけどこのままにした。

②防楯の溶接痕は追加した。

③NATOグリーンの上に、VICカラーのNATOブラウンとNATOブラックを筆塗りし終わったところ。
やたら明るいし、おもちゃっぽい。

④デカールを貼ってからクリアーでコートした後でウォッシングとスミ入れをした状態。

⑤完成品

⑥タミヤエナメルと比べると大きさはこれぐらい。

■2023/7/11のキシダ模型閑古鳥ライブで紹介していただきました。

■参考資料

  1. PANZER臨時増刊「世界のMBTシリーズ レオパルト1&2」サンデーアート社(1983年刊)
    古いので、レオパルト1A1A1までしか載っていない。またレオパルト1はみんな迷彩していないが、砲塔などのアップがあるので参考になる。
  2. 「LEOPARD 1 and 2 THER SPEARHEADS OF THE WEST GERMAN ARMOURD FOURCES」Concord(1990年刊)
    レオパルト1A5登場後。カラーは少ないが、ワイヤー取り回しなど参考になる。カラーの色調も確認出来る。

  3. 「ARMOUR OF THE WEST – NATO’s AFNORTH & NORTHHAG」Concord(1992年刊)
    ドイツ陸軍だけでなくイギリスやベルギー、デンマーク、オランダなどのAFVが出てくる、レオパルト1A5比率は低いが、カラーで3ページほど載ってる。むしろチーフテンMk.11、チャレンジャーの写真が格好いい。

  4. 「NEW VANGUARD 16 LEOPARD 1 MAIN BATTLE TANK 1965-1995」OSPREY(1995年刊)
    手持ち資料では一番新しい時期をフォロー。レオパルト1シリーズの解説や開発、近代化改修の記載あり。レオパルト1A5についても。

  5. 「PANZER 1986年6月号」サンデーアート社
    「最近のレオパルト1シリーズ(1)」という特集がある。ディティールの参考というよりは近代化改修の説明として。

【模型】アオシマ1/24 JPNタクシー

アオシマ1/24 JPNタクシー(国際自動車)作りました。
これは開始自体は2023/3/30に作り始めていたのだけど、途中ちょっとつまずいたりして、2023/6/25にやっと完成しました。

キット自体は作りやすくて大きな問題は無し。

内装などをトヨタのページで見ていたので、内装の塗装は実車に近づけようと考えていました。

内装の上半分はちょっと白っぽい感じのグレーなので、指定色のガルグレーは使わず。
しかしマスキングが大変そうなので筆塗りしたらこちらも結構大変だった。(下地が透けない)

ボディはインディブルーとブラックをあわせたものを塗装。デカールを貼ってガイアのExクリアを何回か吹いてから研ぎ出そうと思ったら、デカールを乾かそうと思って乾燥機に入れすぎてたせいか、デカールひび割れしてた。。。。

しかしすでにクリアーを吹き始めていたので剥がすわけにも行かず、そのまま突っ切ることにした。

クリアを完走させた後、3000番ぐらいのペーパーかけてからコンパウンドで磨いてみたが細かい傷が消えなかったので、シンナーで薄めたクリアーをさらに吹いたところ、傷が隠れて艶も出たのでまあいいかということにした。

ウィンドウ類はマスキング用シールがついてたのでそのまま使わせて貰った。楽ちんだった。

内装はこんな感じだが組むとほとんど見えない。

ドアを開けるとこんな感じ。ちなみにドアはスライド式ではなく、閉状態か開状態を選ぶようになっている。

この作品はキシダ模型 閑古鳥ライブで紹介して貰いました(2023/6/27)

【模型】エレール1/24 ルノーR8 ゴルディーニ

エレール1/24のルノーR8 ゴルディーニつくりました。
2023/5/4につくりはじめて、間ちょっとあって6/16に完成。

エレールのキットは半年ほど前に買ったもの。キシダ模型の旧車会祭りがあるというので製作することにしました。


パーツはだいたいこんな感じ(ランナー一枚取り忘れてるかもしれない)。

問題はゴムパーツで、ロールバーやペダル(アクセル、ブレーキなど)がゴム。ロールバーば曲がりすぎてて使えないのでプラ棒で作り直す。
シートもゴム。

特徴的場フロントマスクはいい感じだけど…

よく見ると角にヒケがあるので埋めます。

ボディ色はフィニッシャーズの「フォーミュラフレンチブルー」。
白ストライプはデカールも付いているモノの、2本が一緒になってて間にクリア層があるが目立ちそうなのと、ストライプの位置が広過ぎるように見えたのでマスキングして塗装した。

キットは一応ラリー仕様ということでモンテカルロのマークなどもあるんだが、内装なども全然競技用ではないので、ロード用ということにした。

まあそれはともかく、各パーツはほとんど差し込み穴などなく、「このあたりかな?」って感じで合わせて接着しないといけないし、ボディとシャシーも接着する前提で、はめこむところが無いし、仮組みが大変だった。
また、ステアリングは切れるようになっているが、やわらかすぎて少しタイヤを押すと外れるので今度接着してしまう予定。

エンジンルルームは実写写真見て少しだけ頑張った。とは言っても追加したのはプラグコードぐらい。
左の白いエキパイと、シリンダーヘッドに伸びる右の黒い2本のチューブはゴムーパーツ。
シリンダーヘッドにゴルディーニの「g」の字が刻印されている。

エンジンルーム作ったら、フードが閉まらなくなった。

この作品はキシダ模型の旧車会祭りに出すつもりで作ったので、こちらで紹介して貰いました(2023/6/17)