2004-08-06(金) [長年日記]
_ B.ベーム/R.ターナー『アジャイルと規律』(日経BP/アジャイルシリーズ)
BoehmといえばCOCOMOII見積もり手法やスパイラルモデルで有名なソフトウェアエンジニアリングの重鎮である。
この本は、計画的な部分を軽視しがちなアジャイル系コミュニティと、組織の標準プロセスの遵守を過度に重視しがちな(CMMIにあるがちな)コミュニティに対して、機敏さも必要だし計画ベースの活動も必要、どちらの属性もバランスをとることが大切だと働きかける。
タイトルの規律(Descipline)はCMM文化では組織の標準、アジャイルでは自己規律という2つの意味でつかわれているが、両方の意味のDesciplineのバランスが必要という(序文のブーチ、コーバーンも)。
IEEE Computer(June/2003)でもBoehmとKent Beckとで応酬していたけど、すれ違いで終わっていた。
→ Amazon
©vette<vette@mail.ne.jp>