2005-11-17(木) [長年日記]
_ 『ゼロサムWARD(2005.Winter)』
忙しいとはいってもとりあえず読むモノは読むわけで。
おがきちか『エビアンワンダーREACT』は、ハウリィのこととか鷹のこととか考えて、先斗も「きみは自由だ」と。 とうとうペイシェントに銀符としての契約破棄の宣戦布告をするフレデリカ!(あとは次号で)
高遠るい『CYNTHIA_THE_MISSION』は番外編でカルロスの子供時代…、ではなくてカルロスの両親の馴れ初めの話だ。ただの研究者の日本人が、ブラジルのコーヒー農場の娘と結婚するために武道家の兄(農園を告がずに武道をやっている:-))のしごきに耐えると言うような話。まあこれはこれでいいとして。
問題は12月創刊の『REX』で、CYNTHIA〜はREXに移籍だし、他にもいくつか移籍、藤枝雅『ティンクルセイバーNOVA』もREXだし、梅川和美の『ガウガウわー太』もREXでとうとう連載継続となるし、仏さんじょまで描くようだし、買わねばならん雑誌と思われるが、おがきちかはREXに行かないので、買う雑誌増えるわけ?
『マジックスター学院☆☆☆』はWARDからゼロサム本誌に行くようですが…。
連載以外では、(前に『COMIC新現実』で好みと言っていた)"群青"が『しましま』というのを描いています。『もっけ』あたりと近いと思いますが、物の怪と人間の狭間の話で、「しましま」とよばれるもののけ達青手専門の土産物屋の子供が主人公。知り合った小さな男の子が店の暖簾をくぐって中にはいると人に変化しているのが解けて物の怪本来の姿になってしまう。物の怪が苦手なわけではないけども、巨大化するタイプはちょっとだめな主人公はここで思いっきり拒絶反応を示してしまうけども…。
全然知らなかった人では、久米田夏緒『携帯寓話』。
大学進学を短大から美大にするといって親とケンカした主人公が、外で出会った男性は小学校時代に美術で表彰されていたので名前だけ知っていた先輩で…。
ケンカの話をして、ケータイからアドレス消したらもう縁を切ったようなものと思っていた主人公に、そうじゃないだろう?といわれて、でも実感できず。あとで分かったのはその先輩は本人ではなく先輩の兄で、先輩はもう亡くなっていたのだった。でも(弟の)名前を覚えていてもらったということで、亡くなった弟のことが、記憶でも繋がっていたと言うことで感謝されたり。
あー、話が2本ほど並行してるように見えるのでこう書いてしまうとなんかそれだけの話になってしまうのですが。
本筋にあまり関係ないエピソードで、主人公が「アナログでもグラデーションって出来るんですね」といって先輩をあきれさせるところがおもしろかったが、無知さ加減も話の伏線だったりするのもちょっとうまい。
_ 門井元『すなおになれば』(モーニングNo.51)
48回ちばてつや賞大賞作品。
高三の香菜は、屋上でたばこ吸ったりはするものの、あとは教師の覚えの良いようにそつなくこなしてうまくやってると思っていた。そんなときふと知り合った自転車バイク便の兄ちゃんを観察してるとおもしろくて…。
筋としては何となくやってた主人公が何となく会ってみた先輩に誘われて危ない目に遭いそうになったところをバイク便兄ちゃんに助けられて、でも彼は後輩で、話を聞くと将来のことをちゃんと考えていたので自分が情けなくなって、とかいうまあなんというか青春悩みモノの一つなのですが、割と嫌いではないのでよいのです。
メリハリはないのだけど話はスムーズで、長い(48P) だけど飽きもしない、うまくできている作品。いかにもモーニング/アフタヌーン系という気はするけども。
(モーニンググは、最近はこういうときだけ買う)