2007-02-01(木) [長年日記]
_ 須賀しのぶ『流血女神伝 喪の女王(5)』(コバルト文庫)
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前巻でネフィシカに囚われのみとなったカリエ。利用されそうでピンチ?
カリエは味方を増やしてもらうためにはまずグラーシカに会うことから、と修道女であることを利用して宗教上の断食修行をはじめる :-) ふらふらになったところでやっとグラーシカとの面会を果たし、事情を伝えるが、反ネフィシカ陣営も難しい…。
ルトヴィアではミューカレウスが水道工事を進めていた。財政に大きな負担を与えながらも疫病防止のためにはどうしても必要だと説き伏せて推進していたが、工事現場では人夫が重労働を強いられて、工事を進める貴族様への不満も高まっていた。
ある日、馬車で変える途中に投石されたミュカは従者の反対を押し切って、犯人を屋敷に連れて世話をする。真正面から犯人の話を聞き、水道の必要性を説こうとするミュカの姿に、その犯人の人夫も心を開いて、ミュカの意志を理解してくれようとしていた。
バルアンのもとではゼカロ北公国からの使者として(略)、ユリ・スカナとエティカヤの血縁を深めようという企みも。
おまけに今回になってイーダル王子の正体がばれたというか地を出し始めてきて・・・あんた変わりすぎで恐い ;_;
一方サルベーンはエディアルドとセーディラを連れ戻すために、雪の中修道院に到着したが…。
…てなわけで、盛りだくさんにいろいろ並行で進行しているし、前からの布石がいろいろ効いてきていて「伏線」どころではありません。当たり前のようにつながってるし。こういう真綿で首を絞めるようにどんどん状況が変わってやばくなるのを書くのがとってもうまいのだけど、これほんとに残り3巻程度で完結するんだろうか? :-)
_ はしもとみつお/鍋島雅治『築地魚河岸三代目(20)』
「青春のホッケ」
自分の家の干物のブランドを復活させたいと意気込む若くんだが、いい材料が無く悩み中。若い人は干物自体を食べないようだが、居酒屋でたべていたらホッケの干物ならみんな食べているのに気づいて、ホッケの干物にチャレンジするが、父親はホッケなんてやめておけという…。
「アワビの十人十色?」
アワビはアワビ自身の危機もあるがアワビ取りの漁師の跡継ぎが居なくて限られた漁師で捕っているという話。
「山のトラフグ」
おいしいトラフグをいただいた三代目達。しかしそれが養殖ものだときいて信じられない。実際の養殖風景を見に行くことになったが、なんと海ではなく山の上に養殖場があるという。
形状を工夫した水槽で十分に泳がせることができて、海上養殖とちがって飼料が沈殿してヘドロ化するのも防げるやりかたで、ノルウェーで行われている養殖手法だとか。
「姿のイセエビ」
仲卸にも伊勢エビ専門店があるのだな。