2011-01-09(日) [長年日記]
_ 岡野玲子/夢枕獏『陰陽師 玉手匣』がメロディで始まっていた
全然気づいてなかったが、12月末発売のメロディで『陰陽師』の続編『陰陽師 玉手匣』が始まっていた。
しかし、メロディまで買い始めると大変なのでコミックスで我慢するのだった…。とはいえ陰陽師の卓上カレンダーってのも気になるけど。
_ 内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(文春文庫)
文庫になったので買いました。
いままでは単行本しかなかったので買ってなかったけど、大体読んだことがある話題。
この話固有なのは、巻末に入っている、内田樹×三砂ちづる×鹿島茂の座談会「お節介で何が悪い! お見合いは地球を救う」。
結婚なんて、昔はお見合いでうまくいってたんだから、合コンとかでえり好みするんじゃなくて、10人中7人ぐらいとはやっていけるぐらいじゃないとだめよということと、どんどん晩婚化するので昔はダンパ(ダンスパーティ−)とかが果たしていた役割のために改めてお節介ながらお見合いを前面には出さずにダンパを企画する話(ネタではなくて)。それがプロジェクト鹿鳴館。内田樹に言わせるとプロジェクト佐分利晋(さぶり しん)。
お見合いセッティングしても、若い人だけに任せてしまうと、断ったりしてしまうので、仲人役がずっとケアしておかないとダメだとか。それも、成婚率が下がるからと言うことだけじゃなくて断られた側が傷つくのを防ぎたいとか。
結婚の話はおいとくと、「ひとりでは生きられない」というのが単純に「おひとりさまじゃダメな自分」の話かと思ったのだけど、いや実際に上野千鶴子「おひとりさまの老後」への返歌として書いたそうな。
伴侶が無くてもいいかどうかはさておいて、「ひとりで稼いでひとりで報酬は全て自分のもの」というのは、右上がりの時代はいいけど今のような時代だと、親族や地域の共同体と協力しないとやっていけなくなるよという話。(これ自体、内田樹の話ではよく出てくるテーマだけど)
そして自分が生きるために共同体に頼るだけではなく、贈与されたものは次の人に別の形で返す反対給付をしていかないと社会は止まってしまうから、貰わない代わりに誰にもあげないと言ってないで、還元していきましょ、という話。
会社に入っても3年でやめてしまうのは、「就職」するためのモチベーションはあっても会社で働くモチベーションを持たないまま入ってしまって、自分の思い通りに行かない(自分の努力が自分だけの成果にならない)からやめるんだろうけど、労働は「自分らしく働く」ための自己表現ではなくて義務なんだからとりあえず働けと。
あと、『街場の大学論』でも読んだばかりのような気がするが、何かあったときに「どうなってるんだ」と責任追及すればいいと思ってる人が多いようだが、誰か特定の人たちが責任を取ってくれる訳じゃない。誰か責任を取る人がいるはずだと全員が思っているからこんなことになる。
「俺ひとりぐらい怠けててもいいだろう」「自分の成果は自分で独り占め」と思ってるのはやむを得ないが、組織の5人に1人ぐらいはちゃんとやる人がいないと破綻するという話。