2011-03-15(火) [長年日記]
_ 谷川史子『他人暮らし』(クイーンズコミックス)
バツイチでひとり暮らしの純花。
相手が嫌いになったわけではないけども他人と暮らすときに境界がうまくコントロール出来なくて煩わしくなる。そんなとき親友の編集者が、アパート近辺が物騒なので泊めて欲しいと頼ってくる。おまけに結婚式を挙げたばかりの友達まで、新婚旅行に出かけるときにけんかをして飛び込んできて、急に3人で同居する生活が始まってペースを乱される・・。
バツイチで家主の純夏、編集者で独身彼氏無しの頼子、新婚のサワと三者三様の恋愛。
同時収録の『秋雨』は仲がよかった同僚が交通事故で亡くなって喪失感。でも死んでるはずなのに夢に出てきて話をしていく…。
上司に相談したら、万葉集にはよくある話。相手がおまえのことを想っているから夢に出てくるんだといわれて、そういえば最後に別れたときもそんなことを言っていたと思い出して…。
とか悲しい気分の後のあとがきはこれまた楽しいなあ。
作:「いい夢を見たいものですね。〆切を守る夢とか♥」。編「夢では困ります」
_ 谷川史子『吐息と稲妻』(りぼんマスコットコミックス)
谷川史子2冊同時発売うれしいですね。 でも別離の話が多くて…。
吐息と稲妻
ちょい悲しい。
幼い頃に自動車から自分を助けてくれた男性の形見のネックレスをつけている紗絵。大学のオカルト研の友達の沢野から告白されて舞い上がっていたが、沢野からプレゼントされたネックレスは自分が持っているものと同じだった。沢野がくれたのは叔母さんが作ってくれた一点ものなのに。
これはどういうこと?と嫌な予感がするけど考えられない紗絵。
沢野が言っていた最近頻繁に見る夢の話。椿を見ていて、オレンジ色の夕焼けが綺麗で、そのうち雷が鳴って雨が降ってきて気がついたら交差点にいて。
不思議な付合に心が騒ぐ紗絵。
って、目の前で、過去の自分を救うために消えてしまった沢野。
別れも悲しいけど、いなくなった後でまた思い出してるのも悲しいなあ。
星空スイマー
幼馴染みの女の子・光から急に付き合って欲しいと言われた望。転勤についていくから会えなくなる。1週間でいいから付き合ってと言われるが、今までそんな風に見たことがなかったのでそんなこと言われても・・・と避けてしまう。
一度は光からキスされたけどちょっと待って!とするもんだから光も傷ついてごめんねと言って別れるが、最後の見送りに駆けつけて、好きに決まってると伝える。
好きか嫌いかという話より、答えるときに100%私のこと考えてくれてうれしかった、という光の話がよかった。
雪の女王
幼馴染みの彼のことが好きなのに、今の彼女のことをずっと相談されてて行き場のない想いが…ということを続けている主人公。
いまままではそれでも友達として差し障りなく仲良くやっていたけども、小さい頃に結婚の約束をしたようなことまで彼女に話したと言われて、幼馴染みだからといってなめんじゃない…!という怒り方が。
ニジメガネ
放浪癖のある画家の父親は出かけたきり帰ってこないので母親と二人暮らしの弓。
彼氏に新聞記事を見せられたところそこに父の名前が出ているのを見て…。
春追い
お姉ちゃんにねだっているのに未だ携帯を持たせてもらえない。
またそれでけんかをしてお姉ちゃんの結婚相手と会うのもボイコットして、婚約指輪を持ち出して逃げたところ、公園で男性と男の子とぶつかってしまう。気がつくと指輪のケースがない・・・蒼白になって探そうとするのを男の子が手伝ってくれる。
最後に携帯電話をやっと買って貰って、その男の子に電話をするシーンがいいですね。出会った公園で電話をかけたら、ちょうど彼がそこにいて電話を取るところが見えて、着信を見て喜びを隠せないのを目撃してしまう。