2007-02-17(土) [長年日記]
_ 館淳一『つたない舌』(幻冬舎アウトロー文庫)
これはアウトロー文庫の既刊。近所になかったので買うのが遅くなった。
会社の昭彦は、写真モデル撮影と称して本番行為まで行っているSM風俗店で姪の千穂の姿を見つけて驚愕する。昭彦の会社に今年縁故採用で入社したばかりで、割とおとなしいタイプなのに何故ここにいるのか…。おまけに雰囲気も自分が知っていたころより妖しさを増している。
この風俗店では女性モデルが可能なプレイのランクによって価格が違っている。まあ風俗によくある通り、本番とかア○ルとかだが隠語で表現している(それにしてもこの料金表の説明とやりとりを読んでて昔フランス書院で出ていた同じ作者の『姉と弟・監禁調教』そっくりだと思ってしまった^^;)。マジックミラー越しにモデルを物色できるようになっていて、対応ランクがすぐわかるように下着の色も変えるようになっていたりする。
この店で何人かのモデルを試して常連となった昭彦が訪れたときに千穂を見かけたのだった。
千穂を食事に呼び出して問い詰めたところ、会社内で脅迫されて目隠しされたままレイプされて、それ以来うずいてしまうので働くようになったという。いきさつをつづったノート(やたらと人に読ませる漢字で書いてあるのがなんだが)を読ませてもらった昭彦は、次に店で千穂を指名する、と伝える。そして千穂を犯して奴隷になることを宣言させる…。そのうちにプレイもエスカレートしていく。
ここまでだと単なる鬼畜叔父なのだが、千穂をレイプした男から再度連絡があり、作戦を立ててその男が再度千穂を襲っている間に捕まえることになる。といっても、男が無防備になるのがイッた瞬間だから、と脅かされている状況を盗聴しながら姪が中出しされるのまで待ってから押し入るというのは…、やっぱり鬼畜か :-)
_ 花田祐実『甘い苦いずるい』(MIUコミックス)
Amazon
またまた花田祐実の既刊を探して買ってきた(あまり店頭に並んでないのだ)。
表題作『甘い苦いずるい』は、クラスの同窓会で久々に再会したかつての冴えない同級生がホストになって生まれ変わっていた。昔とちがってやたらくどきなれていて、すぐに携帯に電話もしてくるマメさ。ホストに入れ込むつもりはないんだけど、と言いながらも熱心な彼と付き合うことになる…。
彼がホストなのが悩みの種だが、ホストにだまされる、という話ではないので安心(?)
わりと好きなのは『あなたがいたら』と『夢見るダイヤモンド』。
『あなたがいたら』は、BARのホステスが、20ほど年上の男性客に恋をする話。小学校の先生らしいが、きっかけを作ろうと傘を貸してあげたのに、いっこうに返しに来てくれない…。ある日本屋で彼の写真を見かける・・。小学校の先生はウソで、実は人気小説家だった。小説家と判ると無理してファンのふりをされることが多いので方便でいってるのだとか。
それ以来歳の差も何のそのとストーカーのように先生を追いかけるが…。
『夢見るダイヤモンド』、カフェのスタンドでバイトしている主人公が、いつもカプチーノを注文する常連さんが気になって、店外で声をかける。すると相手がいきなり彼女になってくれと言い出す。それは早すぎるのでは?と思ったら、会社社長の息子で、政略結婚の見合いをさせられそうなので、恋人の振りをして欲しいという(いまどきそんなベタな設定ありなのか:-))。
依頼仕事になってしまったのが残念だけど、振りをするからにはちゃんと恋人らしくしないとダメでしょう?とデートをしたり恋愛映画を薦めてみたりするが、彼はあくまでバイトとして頼んでいるつもりのようなことを言うので…。
ああ、こういうのを読んでいてはいかんのだろうけど :-)