2007-02-18(日) [長年日記]
_ 館淳一『ナイロンの罠』(双葉文庫)
昨日も館淳一の文庫を買ったばかりなのに、見計らったように文庫新刊が出てしまった :-)
思わず買ってしまったけども、これは20年以上前の旧作を集めた短編集でした。 くわしいことは館淳一HPでの解説で、というと書くことが無くなるな :-) しかしここで紹介されている名言として"「これを読まずして館淳一を語るなかれ」"はいいとして、"「これを読まないshe-maleはモグリだ」"というのは凄いな :-)
表題作『ナイロンの罠』は結構倒錯した姉弟モノ。姉夫婦と同居するようになった主人公は姉の下着に魅せられ、隠れて女性下着を着用していた。しかしそれを知った姉の亭主に脅かされて犯されてしまい、奴隷にさせられる。ホテルで抱かれているときに姉達に踏み込まれ、姉夫婦は離婚することになるが、実はもともとが姉の策略で、弟の嗜好を知った上で、亭主が手を出すであろうことも知った上で同居を薦めていたことが判る。そしてこれからは姉の奴隷として生きることに…。
その他の収録作は『禁断の園』、『女体に棲む蛇』、『悪の性質』、『女囚の蜜』(SFかと思うほど奇想天外)、『美しき生贄 』。
古さを感じさせないところが凄い。
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