2007-03-19(月) [長年日記]
_ 松井勝法/城アラキ/堀賢一監修『ソムリエール(1)』(YJコミックスBJ)
城アラキというと、甲斐谷忍『ソムリエ』の原作を書いてた人でワインもののマンガ原作ばかり書いてる人だけどこれもソムリエです :-)
ヒロインの樹カナは、両親を亡くしたものの、ジョン・スミスと名乗る篤志家のおかげで大学でワイン醸造を学ぶ。
ある日代理人の弁護士が来て、ジョン・スミスがお金を出してくれている子供達の施設への援助を切られたくなければ東京のあるレストランで働くようにという伝言を伝える。そしてカナは東京のレストランでソムリエール見習いとして働くことになる…。みたいな話。
ワインのうんちくそのものにはあまり興味がないのだけど、この作品の場合はヒロインの表情(目と口が大きい)と、服装(ファッションバリエーションを結構描いてる)が魅力的なのでBJの連載も読んでます。
『ソムリエ』が父親との和解が背景にあったように、『ソムリエール』では足長おじさんジョン・スミスにあうことと、父親がどんな人物だったかを知ることが話の進行上重要になってるようだが…。
_ 酒川郁子『おいしい銀座(15)』
カドヤ屋上のビヤガーデンイベントのためにカドヤオリジナルビールを求めたり、銀葉亭の跡継ぎと一緒に新しい看板メニューのオムライス(というよりトマトケチャップ)を開発したり。しかし、実質真理が商品開発しているようなのだが、そんなことで大丈夫なのか、銀葉亭 :-)
そういう話と並行して、外資が銀座一等地のカドヤの株買い占めに来る話(しかもカドヤは消されそう)や、火事の時に百合絵に奪われた榎木田から真理への指輪を、そうと知らない真理の前で百合絵が自分がもらったかのように見せつけたりといろいろあります :-)
_ 椿いづみ『親指からロマンス(8)』(花とゆめコミックス)
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前巻のラストで、過去のトラウマから脱却して、見舞いに来ていた
しかも陽介もそれ以来そのことにふれないのでどういうつもりなのか千愛のほうは頭の中がグルグル…。
話をしようとしても逃げられたりタイミングが合わなかったりするので強引に会うことになるが、陽介からキスの感想を求められた千愛は「やわらかかった」。陽介は「嫌じゃなかったかどうかが聞きたかったんだけど…」と赤面 :-)
話は変わって学園祭の準備で泊まり込んでまで作業するみんな(それ有りなんだ…)。おふろはみんなで銭湯に。女子達の話し声が聞こえて耐えられない男子達…。ダメです、フロで胸の話とかしたら :-) 兄貴もいるのに。
あとは、自分の目が怖く見えることを気にしていつもサングラスをしている三姫が綾芽と出会う話とか。
_ 高屋奈月『フルーツバスケット(23)』(花とゆめコミックス)最終巻ですっ
とうとう完結です。最近の2冊ですっかり後片付けモードだったのでほとんど完結してる気分だったのですが :-)
慊人だけじゃなく透くんがみんなの拠り所だったりするけども、とりあえずみんなそれぞれが自分の行き先を決められるようになったということで。
エンディングに向かう話が長かったけども、だれずにうまく幸せに終わったと思います。
花ちゃんもしっかり夾の師匠のところに行ってるし :-)
_ 犬上すくね『ラバーズ7(6)』
誤解からオーナーを敵視する男に捕らわれた二人…。
それよりも問題は、修学旅行先で夜中一緒に岩永さんとひみがふたりでいたと言うことを変になつきに聞かれて、拗ねられてしまったところか。
それにしても「みちのくひろみ旅」というサブタイトルは何ですか :-)
_ 『コミックチャージ(4/3号)』(角川書店) 創刊号
なんか知らんがいきなり角川から出ていた新雑誌。
あまり魅力的なラインナップではなかったのだが、清原なつのが筒井康隆の『家族八景』(火田七瀬のアレ)を描いていたり、陽香の連載があったり、貞本義之の読み切りがあったのでとりあえず買ってみた。
_ 『コミックリュウ(5月号)』
あまり読むものがないので滅多に買ってないのだけど、鶴田謙二が表紙なので買ってきた。
萩尾望都「バルバラ異界」がSF大賞受賞を受賞した記念で萩尾望都特集を組んでいる。
SFマンガ雑誌としては順当だろうし萩尾望都クラスなので出版社は関係ないのだろうけど、小学館のマンガの話で徳間の雑誌が特集するのもえらいな :-)
特集の内容
- 萩尾望都×吾妻ひでお対談
- 下の作品とも絡めて
- 萩尾望都×吾妻ひでお合作「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」再録
- 1981年ごろの奇想天外臨時増刊に掲載されたもの
- わたしと萩尾望都・・みたいなイラストエッセイ
- 寺田克也、高野文子、鶴田謙二、とり・みき、水玉螢之丞、道原かつみ、吾妻ひでお、あさりよしとお
もう一つの特集が「スカルマン」TVアニメ化記念で「出渕裕×吉田戦車」対談。
_ やまむらはじめ『蒼のサンクトゥス(5)』完結編
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完結。
1巻のときにも書いたのだけど、 A&B.ストルガツキー兄弟の『ストーカー(原題:路傍のピクニック)』(タルコフスキーが映画化)を彷彿させるシチュエーションで、ある日地球上に飛来(墜落)した宇宙からの物体が作り出す「ゾーン"A-NEST"」の厄災と、その「ゾーン」の中で採取できる鉱物を目当てに危険を冒して中に入る採掘屋達。
主人公は、採掘屋をやっていてA-NESTで死んだ父親の仕事に魅せられて、同じく採掘屋になろうとしている治基。
最初にA-NESTから脱出して、その際に特殊な感応力が備わった「レリクト」達がA-NESTの先導役を勤めるのだが、5巻になって研究者が登場人物として「ストーカー」における人間達のポジションであることに言及し(当然ストーカーの話をするわけではないけど)、別荘を建てるときにそこから追われる小動物にペンキが付いたといしても気にしないだろうと言うのだが、当然レリクトは自分たちの体の異変がスティグマ(聖痕)ではなく単なるペンキのようなものだということは受け入れられない…。
とかいう議論とはべつに、A-NEST深層部に突入した隆・治基・日奈達は、隆が衝突で即死したのを乗り越えて、とうとう中まで入り込むが…。
最後に来ていろいろ集約されてきた感じであった。
しかし治基と日奈はもう少しドキドキ展開があっても良かったのではないか :-) いちおう心はお互いに近いのだろうけど。
ところで治基が撮影してきたA-NESTで見た羽根みたいな物体の話はどうなったのか…。
そりゃそうと、ハヤカワ文庫の『ストーカー』って絶版なのか。残念。
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