2008-11-02(日) [長年日記]
_ 雫井脩介『クローズド・ノート』(角川文庫)
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9月か10月に読んだ本。
近所のTSUTAYAに思い切り沢山並べてあったもの。ベストセラー小説って後から手を出すのはあまり好きじゃいのだけどパラパラ見てみて気になったので買ってみた。文庫が出たのが6月で、もとは2006年に出ていて、さらにもとはケータイサイト?今までしなかったのだけどいきさつはあまり気にしないとして。
主人公の香恵は大学でマンドリン部に入っている女子大生。万年筆が好きで、万年筆に強い文房具屋で外から眺めているうちにバイト募集が出てたので思わず申し込んだというタイプ。
万年筆のフェアが始まって、頑張って万年筆を売ろうとするが冷やかしとか悩んだあげく買わないお客さんが多くて挫折感を味わってる香恵の話とか、「魂を込めて売れ」みたいな話を読んでいると、これって文房具屋小説!と思ってしまうところもあるのだけど、そうではなかった :-)
いろいろ悩みを抱えている香恵は、前から気になっていた、部屋の前の住人が残していったノートをとうとう読んでみようと決心する。伊吹's ノートと書かれたそれは、小学校の先生として奮闘する伊吹先生の日記だった。 逢ったこともない伊吹先生の意気込みや児童に関する悩みを追体験しているうちに、香恵も伊吹先生のファンになっていく…。
一方、やっと万年筆を買ってくれた第1号のお客さんは近所に住むイラストレーター。ちょっとした縁で親密になっていくが…。
わりと淡々とした展開なんだけど、部屋で「ともしび」聞かせるところや、伊吹先生に会いに行くところはなかなかです。
さいごはちょっとくさい気もするけど、読後感も良くて気持ちよかった。
なんか、読み返してしまいました。
柴田五十鈴『コミック クローズド・ノート』(角川書店)
で、ついでというかなんというかコミック版が出てたので買ってみた。
しかし、あの話を1巻でまとめるのは無理があったようで、ストーリーを撫でただけの話になってしまった気がする。