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煩悩日記

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2009-09-22(火) [長年日記]

_ ブランドン・サンダースン/金子司訳『ミストボーン -霧の落とし子-(3)白き海の踊り手』(ハヤカワFT)

ミストボーン -霧の落とし子-(3)白き海の踊り手 Amazon

日記に書いてなかったけど、1巻が出た時から読んでた『ミストボーン』がこのたび完結。

といってもこの作者のほかの作品はまだ読んだことがないのだけど。

支配王と呼ばれる絶対君主が支配している世界。人はスカート呼ばれる下層階級と貴族にわかれており、スカーはいつも貧困状態に置かれていた。そんな中で盗賊団で使われていた少女ヴィンは、聖職省の役人をだます仕事に加わったところで、「ハッシンの生き残り」といわれる伝説的な英雄ケルシャーと出会う。

ケルシャーと対峙しているときに、自分が知らずに使っていた力が「合金術」と知り、また自分がいろいろな金属を使える「霧の落とし子」と知らされて、ケルシャーの仲間に加わって力を伸ばそうとする…。

というのが冒頭なのですが、鉄・銅・錫などの金属を飲んで「燃やす」ことで力を出したり、金属を押したり引いたりして宙に浮いたり相手を押したりするという合金術をうまく体系だてて盛り込んで生かしているのがおもしろい。合金術の説明なしに成り立たない話だし。

また、ケルシャーたちがたくらんでいるのが支配王が統べる都市の転覆と知って、地方貴族の姪になりすまして貴族の舞踏会に顔を出して情報収集する任務を仰せつかって、なれないテーブルマナーな貴族女性の立ち居振る舞いのいやいや練習させられたり、舞踏会に出ているうちにそっちも楽しくなったり、、、というヴィンの姿が面白い。

みんなを引っ張っているケルシャーが何か真の目的を隠したままみたいなところがあって、みんなに疑念を抱かせているというのが最後まで続くのだが、いやいや最後の大掛かりな仕掛けがこんなんだったとは。

おまけにこんな最後まできてまだ支配王に押されててどうするのと思ったりで、なかなか楽しめました。

ミストボーン -霧の落とし子-(1)灰色の帝国 ミストボーン -霧の落とし子-(1)灰色の帝国(Amazon)

ミストボーン -霧の落とし子-(2)赤き血の太陽 ミストボーン -霧の落とし子-(2)赤き血の太陽(Amazon)

_ ジャクリーン・ケアリー/和爾桃子訳『クシエルの矢(2)蜘蛛たちの宮廷』(ハヤカワFT)

クシエルの矢(2)蜘蛛たちの宮廷 Amazon

『ミストボーン』のことを書いたので、まだ完結してないけどほぼ同時期から買っている『クシエルの矢』のことも書いておこう。

ちなみにもともとは立ち読みでエロティックファンタジーぽいのりだったのでつられて買いました:-)

こちらはエロティックな"天使"を神話として祖先に抱く王国で「夜の法廷」とよばれる高級娼館に預けられたもと娼婦の娘が主人公。

左目の瞳に赤い点がありそれが「クシエルの矢」とも呼ばれているが不吉と思われてうとまれる部分もあるが、貴族のデローネイが彼女を見て本物の"アングィセット"だということで高く買い取られてデローネイに仕えることになるあたりから話が始まる。

ちなみにアングィセットとは、真の価値が述べられてないかもしれないが、身も蓋もなくいえば"真正M女"のようなもので、鞭など苦痛を与えられることに快感を得る女性のホンモノみたいなもんらしい。アングィセットでなくても責めを受けることを奉仕とする娼館もあるのだけど、まあそれはそれでおいといて。

で単に娼館だの高級娼婦だのがメインではなく、貴族間のせめぎ合いの中で、フェードルが多様な外国語を仕込まれたりものの見方を仕込まれてパーティや娼婦としてのお客である貴族のところで耳そそばだてることで情報収集をするのが仕事なのだが、2巻では主役級人物があっけなく死んだりフェードルも外国に売り飛ばされたりして、あれーーな展開になるのだった。(すみません一部ネタバレ)

これを読んでて、「フェードルは流血女神伝のカリエだ!」と思ったのはわしだけではあるまい…。(別に「今度は奴隷になっちゃった」だけで思ったのではなくて、だんだん知識をつけて諸侯の関係を理解するにつれて今まで考えていたことが浅い視点だったのことに気づくという成長のさせ方もね)

で、2巻の表紙のイケメンはよく考えてみるとキャシリーヌ修道士ではないですか。デローネイですら表紙になってないのに(←発想が少女マンガ)。

クシエルの矢(1)八天使の王国 『クシエルの矢(1)八天使の王国』(Amazon)

_ 2010年用スケジュール帳検討会(気が早い)

いつもは10月末〜11月頭に12月始まり用スケジュール帳を物色するのですが、手帳で検索している人をみて思い出してしまったのでちょっと検討。

2008年は陰山手長、2009年はパイロットの「NEW STANDARD DIARY ORDINAL」のB6判。

ORDINALは、1週間のバーチカル見開きページのスケジュール部分は陰山手帳と同サイズで狭くもないし、巻末フリーメモページが少なめなことを除けば不満はないのでたぶん来年もORDINALにすると思うが、一応物色。

ORDINALの2010年版を見ると、ペンホルダー付本革表紙版があってこれにはちょっと惹かれる。ノーマルはビニールのペンホルダーしかなくて、千切れてしまったので。ただバーチカル版(PD-10-P13E)の色がカラシ色とケシズミ色で、横スケジュール版にある赤蘇芳(こんな色名があったのか)とクリ色が捨てがたい。カバーだけ買えんのかな。またはこのカバー付きとノーマル黒表紙版を買ってカバーつけ替えるとか。

ほかにフリクションポイント付というのもあるが、こちらは表紙を止めるのがついてて、却って邪魔なのでパス。

「陰山手帳」のほうはと言えば、2010年版は10/2発売とのことで Amazonで予約 は始まってるものの、改訂箇所がわからないので、現物みてからかなあ。

_ 日記壊れかけ

tDiaryそのもののバージョンアップをさぼっていたのでCVSからSubversionにも切り替えてないしAmazon.rbのエラーも出るしということで入れ替えようと思ったらトラブルがいろいろ。

tdiary.confがいろいろおかしい状態になったので復旧中。

_ 雁須磨子『いばら・ら・ららばい』(KCデラックス)

いばら・ら・ららばい Amazon

タイトルからすると、茨田さんが主人公なのだろうか。

お菓子の卸か小売業の倉庫にアルバイトでやってきた茨田さん。背が高くて美人でプロポーションもいいけども、声が大きくて思ったことをずけずけ言ってしまう性格が災いして怖がられるタイプ。

事務の度上さんとは友達になれたものの、倉庫でも黒岩君とはぶつかりがちで…。

などなど、度上さん-茨田さん、茨田さんと同じ倉庫バイトの平良さん、平良さんの別のバイト先にあらわれる石田さん、ちょっとずつつながってる女の子たちが、好きになったり好かれたり妬んだり。 (そういえば、作者は4人の女の子と言ってたが、hassyが脇役か?)

平良さんは茨田さんの恋を見守ったり、レンタルビデオ屋のほうのあれこれを頑張ったりで忙しいのだよなー、見てて一番注目したくなる。

_ 谷川史子『P.S.アイラブユー』(クイーンズコミックス)

P.S.アイラブユー Amazon

タイトルだけ見るとすごく陳腐なのですが。

表題作は、ドイツ語作品の翻訳家をしている一三子(いさこ)。翻訳の仕事を目指していたのに、彼から守ってあげるといわれたことが引っかかってプロポーズを断ってしまって以来、引っかかってる。

図書館にでかけたときに、草市という男の子に懐かれてしまい、なんとなく友達に。草市はおばあちゃんの家に遊びに来ていただけなのでそのうちに帰らないといけないのだが…。

もうひとつの短編連作が『Room201』。お互い全然つながりはないのだけど、201号室に暮らす人たちにやってきた破局の危機、みたいな。

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